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MIPP・セラミック治療インプラントガミースマイル治療クラウンレングスニングセラミック矯正マイクロスコープ治療咬合治療審美治療歯科医師としての倫理観精密治療

歯科医としての倫理観

先日、新型コロナの真っ只中 急患の患者様がとても暗い顔で来院された。セカンドオピニオンを希望されていた。

当院には本当に数多くの方が相談に来院される。いわゆるセカンドオピニオンだ。その中で一番多いのは他院での治療に不満を持つ患者様方だ。他院の治療法やコンセプトを安易に否定は出来ないと私は考えている。立場的にも複数の会社にインプラントインストラクターを任され、更に自身のスタディグループの代表をしているので多数の歯科医師から様々な相談を受ける。歯科医師は一様に真面目で真剣に治療に取り込んでいるので、治療結果や治療コンセプトが患者様とすれ違っているからと言って安易に否定は出来ないというのが理由だ。しかしながら中には常軌を越えて酷い治療をされた気の毒な患者様がいる。この患者様が正にそれだった。

この患者様はまだお若い女性で 美しく変わりたい一心で高額な治療費を払い前歯のセラミック矯正治療とガミースマイルの治療としてクラウンレングスニング手術(歯肉・骨整形手術)を受けた様だ。 確かに手術の結果というのは経験値、才能、技術力、環境、知識量により大きく変わる。昨今はインターネットの宣伝が上手い先生があたかも技術力も上手く魅せる事ができるという本来ならあってはならない事が当たり前になっている。患者様も歯科医師選びにはインターネットしかない為、本物の実力を知る術が無いのが実情であろう。

インターネット宣伝が産んだ悲劇 それが今回の患者様であった。

カウンセリングでは患者様の話を細部にわたり良く聞く事が基本になる。患者様の持つ本当の希望と本当の悩みは10分話しただけでは決して聞き出す事は出来ない。話しに順序と整理をつけ、タマネギの皮を剥がす様に一枚一枚丁寧に聞き出す様にしている。時に90分間話しっぱなしという事もある。 それくらい多くの患者様は深い悩みを抱えて来院するのだ。正に当院のコンセプトにピッタリくる患者様方である。1日の来院患者数を最大3名のみにするのは患者様に寄り添って解決に導くにはとにかく時間がかかるのが理由だからだ。

この可哀想な患者様はクラウンレングスニング手術と共に前歯9本をとても小さく削られ(ほんの僅かに削るだけの本来ならラミネートベニア治療で良いのにもかかわらずセラミック矯正治療が選択されていた)ており 計9本の歯が仮歯にされていた。雑に行われた外科手術と信じられないくらい酷い仮歯により傷口は腫れあがり術後10日も経つのに未だに血が出ていた(本来のクラウンレングスニング手術なら傷口が完全に治る日にち)あまりに酷い結果に鬱になってしまうと患者様は涙ながらに訴えいた。 以下の写真が初診時の状態である

どう思いますか?これはあんまりじゃ無いだろうか?審美歯科医院を名乗り患者様から大変に高額な治療費を一括請求し何もわからない患者様の健康だった歯を小さく削り更にはこんな仮歯を入れられたら誰だって大変な事になってしまったと悩むでしょう。

コラムで書くべき内容では無いかもしれませんが

審美歯科医師の倫理観はどうなってしまっているのか

同じ審美治療をする歯科医として悩ましい事件でした。歯科医選びは本当に難しいです。審美となれば尚更に慎重に選んでいただけたらと思いコラムに書かせていただいた。

しかし、ご安心下さいこの可哀想な患者様にはすぐさま正しい仮歯を入れ、間違いだらけの外科手術の傷が癒えるのを待っているところです。写真の新しい仮歯に患者様は涙をポロポロ流して喜んで下さいましたが、私の心境は複雑でした。歯科医全体の技術、知識力の不足が産んだ可哀想な結果だからです。患者様の歯はもう再生しません、お金も返ってこないのです…

最終の歯が入りましたら、またご報告いたします。

こちらが当院で作製した新しい仮歯

 

他院の問題の仮歯→当院で作製した新しい仮歯 写真

インターネット検索にて審美歯科で上位に上がる歯科医院 かっこいいホームページ=治療技術 では無い

この仮歯で歯茎の腫れや出血が治癒するのを待ち、患者様が失った全てを取り戻す事をお約束しました。

早く良くなる事を強く望んでます。治療が終わりましたら症例報告致します。

 

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執筆者情報

院長/歯科医師

中澤 玲 Rei Nakazawa

岩手医科大学歯学部を卒業した後、すぐに顎関節治療の勉強に没頭し、 多面的な目線で顎関節の治療を行う。 その後、アメリカ・ボストン大学に留学し、世界で注目される治療や歯科材料に目を向け研鑽し、審美治療やインプラント治療においては、ドイツ大手のインプラント会社のインターナショナルインプラントインストラクターに任命され、活躍している。

日本インプラント学会、ブラジル審美治療学会論文投稿や歯科雑誌への執筆、2013、2014年とブラジル審美治療Marcelo Daltro先生を個人的に日本に招聘し共同で講演活動を行う。インプラントの本場ドイツでもFrank Zastrow先生と講演活動を行っている。 2014年はドイツのインプラント専門医達の間では解消されていない問題である『顎関節症とインプラント治療』についての講演を行った。

世界でも著名な審美治療医師の一人、Dr.Iñaki Gamborenaと共同講演を日本GC社で開催。高水準のディスカッションにより多数の賞賛を得た。自身でも若手歯科医師向け年間コースを2014年に開設し、日本国内でも各地で講演中。